パイオニアペダリングモニターについて




前回の記事でペダリングについてお話ししたので、今回はパイオニア・ペダリングモニターについて少しまとめてみたいと思います。世界で唯一ベクトルを表示できるパワーメーターであり、恐らく日本で最も普及しているパワーメーターでもあると思います。

しかし、残念ながら最大の特徴であるベクトルやペダリンググラフの使い方は未だ確立されておりません。本日は、こういう点に注意すると良いのではないか?という例を挙げて皆さんの理解を深めるきっかけになればと思います。こういうやり方があるのではとお気付きの点が御座いましたら、是非ご教授願います。

まずはこちらのグラフをご覧下さい。

 

赤いフォースベクトルにご注目下さい。どちらも同程度の長さです。しかし、ペダリンググラフに表示される力を見ると上のグラフは251N、下のグラフは715Nであり3倍近い差があります。また、この時の平均ワットは84Wと314Wです。つまり、フォースベクトルの大きさとは、力の絶対値を表すものではなくあくまで相対的な力の大きさを表していると言えます。

 

何が問題か?

一般的には青いフォースベクトルが短くなれば「回転とは逆方向の力」が減ったとされていると思われますが、「回転に寄与する力」が増したことによって相対的に短く表示される場合があります。
何が言いたいかというと、「回転に寄与する力」が増えれば、「回転とは逆方向の力」が減った訳ではないのに減ったように見えてしまうという事が起こりえます。ここには注意が必要です。

 

それでは、ペダリングのロスが減っているかどうかを確認するには何処を見るべきか?

これは、ペダリンググラフに表示される法線方向への力を見るべきだと思われます。次のグラフをご覧下さい。

 

上はローラー台の上で丁寧に回す事に集中したグラフで、下は流し気味にテンポ走を行ったもの。それにGPR・GPAの表を加えた図です。
注目していただきたいのは2点。
1点目は、上のグラフではマイナストルクを示すGPAが合計で2Wとほぼ0です。
2点目は、法線方向の波線です。下に比べると上の方が0に近い点で推移しております。

(注)GPR・GPAについては前回の記事参照

ペダリングのロスを防ぐには、いかに法線方向に力を加えないかが重要と言えそうです。そのためには、まずペダリンググラフで法線方向の力がどれくらいかを確認する。そして、ペダリングモニターのフォースベクトルでなぜそういう力が加わるのかを検討するというやり方が良いのではないかと思われます。どちらかだけではなく、二つ揃えて使うのが宜しいかと思います。

もう一つ注意点があります。この図にあるようにマイナストルクが2Wであってもペダリング効率は72%です。マイナストルクがほぼ0の状態でも100%にはなりません。マイナストルクの少なさとペダリング効率に重なっている部分はあっても、必ずしも一致する訳では無い事が分かります。ペダリング効率という指標は、100%を目指すというよりも、50~70%程度の中で自分がどんな走りをしているのか気付くために使うのが良いのではないかと思われます。

ポイント

・矢印の大きさは相対的なもの。短いから(長いから)といって実測値は別

・ペダリンググラフの法線方向の力が0に近ければロスが少ないと考えられそう(特に180度以降)

・ペダリング効率はある程度の範囲(50~70%程度)で自分にとっての最適解を求めるもの