アクティブリカバリー、やるべきなのか やらざるべきか




本日はアクティブリカバリーについてです。
もともとは前回の「パフォーマンスが上がるというデータがあるから休むべき時は積極的に休むという選択」と2つで1つの記事だったのですが、長くなり過ぎたので分割したものです。併せてお読みいただけるとレストについてより理解が深まると思いますので宜しければご覧ください。

 

さて、アクティブリカバリーとは、軽い運動で血流を良くし体内の老廃物を取り除き回復を促すものと理解されていると思います。ハードなトレーニングの間の日に実施する方も多いでしょう。

 

しかしながら、数十分以内という短い期間だと有効というThirietの研究はありますが、数時間または日を跨いだ場合の有効性を示す研究は見当たりません。

 

そういう結果になる理由は幾つか考えられます。

・実際に効果が無い。
・運動時間や方法が適切でないために効果が得られなかった。
・効果はあるけれども現在の科学では証明できない。

 

いずれにしても現時点では疲労回復効果が証明されていないので「本日はアクティブリカバリー」と設定する科学的根拠は薄そうです。それではやらない方が良いかというと少し短絡的だと考えています。私なりにやる理由を考えてみたいと思います。

 

クライアントの方にアクティブリカバリーというメニューを行ってもらう際は、片足ペダリングであったり8の字、ダンシングの練習といったスキルトレーニングをやって欲しいという指示を出すことが多いです。

 

なぜならば野球やテニス、サッカーといったスキルスポーツほど競技力に占める技術の割合は高くないとはいえ、自転車競技においても技術は高ければ高いほど有利です。

 

LTを超えるような高い強度のトレーニングでペダリングを意識しながら行うのは困難です。週に1回でも2回でも基本に立ち戻る日を作っても良いと考えています。そういう日は、スキルもそうですし回復具合等と併せて自分の体と対話する良い機会だと思っています。

 

他にもテーパリング期間中に実施するならば、体に負担を掛けるような高い強度の練習を減らして、技術練習の割合を増やしスキルの向上を目指すのも良いでしょう。アクティブリカバリーという名称を用いていますが、普段できないトレーニングを実施する日と考えれば多少回復を遅らせてもメリットの方が多いかもしれません。

 

勿論、皆さんが今回ご案内したようにアクティブリカバリーを実施しなければならないという訳ではありません。単に汗をかくだけが目的でも良いですし、カロリー消費が目的でもありだと思います。ただし、自分なりに考えた末に何をするか選択した方が良いでしょう。そして、ある面では否定されても別の側面から見れば有効かもしれないので、近視眼的にならず総合的な判断をして頂ければと思います。

 

参考文献

Thiriet P

The effect of various recovery modalities on subsequent performance, in consecutive supramaximal exercise.

J Spors Med Phys Fitness 1993 Jun;33(2):118-29

 

Lane KN

Effect of selected recovery conditions on performance of repeated bouts of intermittent cycling separated by 24 hours.

J Strength Cond Res 2004 Nov;18(4):855-60.