トレーニングというものは強度を高くすれば良いという訳ではありません~Training harder is not always better~




久方ぶりのブログ更新です。少し仕事が落ち着いて来たのでもうちょっと更新頻度を上げたい所です。取り合えず初めの一歩ということで短めのを1本挙げておきます。まずは下記の写真をご覧ください。

 

 

じてトレさんのツイッターに載っていたのでご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。簡便に説明すると、同じ基準(%VO2max)を用いても鍛錬者・非鍛錬者によって血中乳酸濃度は異なり、相対的な負荷が異なるであろうというイメージ図です。

同じ基準を使用してトレーニングを行っているのに、ある選手は達成出来ても、ある選手には出来ない事がよくあります。単に根性が足りないだけの問題では無いのを頭に入れておく必要があります。これだけでも示唆に富んだ内容ですが、同じくBishop博士の次のスライドも併せて知っておくとよりトレーニングに対して理解が深まると思います。

 

 

こちらは様々なインターバルによって筋の緩衝能(muscle buffer capacity)がどう変化したかのグラフです。LT未満や、4分といった長いレストを取ったスプリントでは変化なし。それに対して、2分ON(LTの40%増し)/1分RESTがもっとも高い数値を出しております。そこからさらに強度を増すと(LTの70%増し)、緩衝能の変化は少なくなっています。

このグラフから、ある能力を刺激するには適切な負荷や時間が存在する。そして、それは単に高い強度でやれば達成できるというものでは無いことが示唆されております。あるトレーニングをする際には、その強度・時間・本数である理由をきちんと踏まえて行う方が合理的です。

 

従ってトレーニングを考える際には、

・自分のレベルを把握する

・自分にとって必要なことを理解する

・目標達成には何が適切か考える

 

といった事が如何に重要であるのかが分かります。他者と自分のトレーニングを比べる方をよく見かけますし、人によっては「勝ちたければ〇〇をやれ」なんて言う方がいますが余り良い結果をもたらすとは思えません。

トレーニングというものは何処まで行っても自分だけのものです。何処かの誰かから貰ったり、あげたり出来るものではありません。自分にとって何が適切かをひたすら考え、実行し、失敗から学び続けるのが大切です。

しかし、闇雲にやっていたら時間も体力も足りません。ある程度フィルターに掛けるために科学を使うのは有効な手段と思われます。学術論文に手を出せとまでは言いませんが、生理学やトレーニング理論の教科書を1回読んでみるのはとてもお勧めです。

 

参考資料

BISHOP博士のツイッターアカウント

 

BISHOP博士がUKSCAで使用したスライド(2つ目のグラフが載っています)
英語になってしまいますが参考になるのでご覧になるのをお勧めします。

https://prezi.com/ieshgl9r62bj/uksca-2018-invited-talk/?utm_campaign=share&utm_medium=copy&webgl=0